トラピチェは1883年に設立して以来、一世紀以上にわたって、アルゼンチンのワイン造りの礎を築いてきました。メンドーサ州マイプに佇むワイナリーは、ワイン業界の発展とともに、小さな畑からアルゼンチンで最も尊敬される生産者へと成長を遂げました。1912年、現在でもアルゼンチンのワイン建築を代表する、フィレンツェ様式のワイナリーが建設されました。ワイナリーの魅力である、施設内を走る英国製の鉄道を導入したことで、効率的な輸送システムが実現し、大きな節目となりました。2008年と2009年には、アルゼンチンのワイナリーとして初めて、南大西洋の冷涼な風を利用する、沿岸の影響を強く受けたワインを醸造しました。革新を大事にし続けてきたトラピチェ。2020年に設立されたワインバー「Estación 83」では、もともと収穫したブドウをワイナリーに運んでいた歴史ある電車の車両を復元し、伝統と現代性が融合した、生き生きとした新しい空間を生み出しました。歴史を尊重しながらも進化を目指す姿勢が、トラピチェをアルゼンチンのワイン業界のリーダーへと成長させました。2024年＆2025年、インテル・マイアミCFの公式ワイナリーを務めています。

トラピチェのぶどう畑はアルゼンチンで最も名高いワイン生産地に広がっており、プリメーラ・ソナ（マイプ）、ルハン・デ・クージョ、ウコ・ヴァレー、そしてチャパドマラル（コスタ・イ・パンパ）といった地域に位置しています。特にチャパドマラルはアルゼンチン初の海岸沿いのぶどう畑で、海からわずか6キロメートルの距離にあるため、海風と穏やかな気温の影響を受け、フレッシュでエレガントなワインが生まれます。また、ウコ・ヴァレーの標高1,000メートルを超える高地の畑は、アルゼンチンの最高級ワインに求められる骨格と複雑味を与えています。トラピチェは農業生産工程管理（GAP）を遵守し、生物多様性の保護や土壌の健康維持に努める責任ある農法を実践しており、多くの畑でオーガニックやサステイナブルなぶどう栽培へと移行しながら、ワインの純度を保ちつつ環境負荷の軽減にも貢献しています。主要な産地としてはエル・ミラグロやラス・ピエドラスがプレミアムな品種を生産し、ラ・ピカーダ、トリブート、セピタ、アルタミラ、サンタ・イザベルといった地域がそれぞれトラピチェのポートフォリオに個性豊かな特徴をもたらしています。入念な畑の管理と土地への深い敬意、さらに革新への揺るぎない取り組みを通じて、トラピチェはアルゼンチンのワイン造りを再定義し、そのユニークな起源を反映したワインを提供し続けています。

トラピチェのマイプにある歴史あるワイナリーは、1912年建設の伝統的建築と最先端技術を融合し、品質にこだわったワイン造りの中心です。温度制御ステンレスタンクやフレンチ・アメリカンオーク樽、重力式醸造システムを用い、ブドウからグラスまで高品質を保証しています。畑ごとのテロワールを尊重し、手摘み収穫やコールド・マセレーションでアロマを引き出し、天然酵母を使うことで個性を生かします。熟成はワインのスタイルに応じて樽やタンクを使い分けています。チーフ・ワインメーカーのセルヒオ・カセは、20年以上の国際経験を生かし、伝統と革新を調和させたワールドクラスのワインを造り続けています。また、衛星画像や土壌マッピング、節水技術などを駆使したサステイナブルな畑管理を実践し、生物多様性や土壌の健康維持にも努めています。トラピチェは歴史と革新、環境への配慮を融合し、アルゼンチンのテロワールの豊かさを表現するワインを造り続けています。